ブラジル人の名前

ブラジル人は名前を呼んだり書いたりするとき、たいてい、ファーストネーム(いわゆる苗字じゃなくて名前の部分)を使う。
日本ならば普通、フルネームを書くだろうよ?と思う場面でも、平気でファーストネームだけを書く。
名前を呼び合う場合もファーストネームだ。子どもだけじゃなく、いい大人が、平気で名前で呼び合う。
西欧文化圏ではどこでもそうなのかも知れないけど、日本人にとっては結構戸惑うよね、最初…。


私などは、カオーリ、と、オを強めに発音されている。
ちなみにダンナは、名前ではなく、苗字をファーストネームのごとく扱われている。
それもなんだか妙な感じなんだけどね、名前だとかなり発音が難しいと思われるよ、ブラジル人には。


ところでブラジル人には苗字がないかというと、もちろんそんなことはなく。
苗字どころか、ミドルネームっていうの?本当の名前を書かせると異様に長いことが多いのだ。たとえば、

アレッシャンドリ サントス ジ ジーザス ホドリゲス という男性がいる。
彼は単にアレッシャンドリと呼ばれる。しかし本当はこんなに長い…。
ちなみにサントスは彼の母の苗字、ジーザス ホドリゲスは父の苗字だそうだ。
こんなふうに、両親の苗字をそのまま受け継いじゃうという子どもは多いみたいで、苗字が二つあるのは別におかしくないことらしい。
二つどころか、祖母の名前まで加わって苗字が3つということもあるらしい。


日本なら、高橋青山かおり、みたいな感じになるんだろうか。違和感たっぷりだな…。
日系2世や3世の方々はやはり両親の姓と日本名とブラジル名を持っている。
マリア ユミコ アサクラ ヤマダ のように。


現在活躍中のサッカーブラジル代表の本名も、実はかなり長い人が多い。
たとえばロナウジーニョは、
ホナウド ジ アシス モレイラ。ポル語では冒頭のRはハ行で発音されるので、ロナルドではなくホナウドとなります。同様に、ロナウジーニョじゃなくホナウジーニョ


カカーは、ヒカルド イゼクソン ドス サントス レイチ。
カカーのカの字は、ヒカルドのカから来てるのでしょうか… カは一つしか出てこないのになぜかカカーになるのね、あだ名は。


と、こんな具合に、あだ名も大好きなブラジル人。そしてそれが一般的に通用しちゃうのもブラジル。もちろんジーコだって本名は全然違うものね。
まぁ日本でも堺正明がマチャアキで通ったり、水前寺清子チーターだったりするものね。(って、例えが古すぎ… ゴンとかカズという好例があるじゃないか!)


名前つながりでもう一つ。
出産直後にたまたま見つけたんだけど、ブラジルにも子どもの名づけの本があったのだ。ちゃんと姓名判断みたいな数字も存在するし、名前の持つ意味もそれぞれちゃんとあるらしい。
アルファベット順にずらりと名前が並んでいて、その隣に意味が記されている。
なんとKaolinという名前も存在していて、意味はBela jovem。美しい若者、という直訳なんだけど… なんだかいい意味じゃないの?!


この本には、2005年のサンパウロで届けられた赤ちゃんの名前で多いもの、つまり人気の名前ランキングも掲載されていた。興味深いのでちょっとご紹介。


女の子
1位:ジュリア
2位:ジョバンナ
3位:マリア エドゥアルダ
4位:イザベラ
5位:ガブリエラ
6位:ヤスミン
7位:ビアンカ
8位:レチーシア
9位:ニコーリ
10位:エミリー
11位:ベアトリス
12位:ラリッサ
13位:ヴィトーリア
14位:イザベリ
15位:ガブリエリ


男の子
1位:ガブリエル
2位:グスタヴォ
3位:ギリェルミ
4位:マテウス
5位:ヴィットール
6位:ルーカス
7位:フェリペ
8位:カウァン
9位:ヴィニーシゥス
10位:ペドロ エンリケ
11位:ジョアン ヴィトール
12位:ハファエル
13位:カイーケ
14位:ニコラス
15位:ライアン


うーん、確かにコイの友達にもマリアエドゥアルダとか、ジョアンヴィットールとか、ヴィニーシゥスとかガブリエラとかがいるもんなぁ。人気の名前なんだな。
ちなみにアレックスはランクインされていないねぇ。ちょっと古い名前なのかも?!


ここは移民の国だから、名前もそれぞれの祖国から入ってきていて、バラエティ豊かなんだろうね。英語でおなじみの名前も多いよ。
だけど発音はもれなくポル語読みになるのでお忘れなく。
私の主治医、Diana先生と言いますが、ダイアナと呼んではいけません。ジアナ、と呼びます。あぁ、違和感…。