日本文化祭り

リベルダージの文協(ブラジル日本文化協会)で、第2回日本文化祭りというのが開かれた。
前日のニッケイ新聞でその情報を知った。この新聞、金曜日には「今週の催し」として、週末の日系人主催イベントが掲載されてて結構使えるのだ。


さて、11時過ぎに会場に着いたら、もうすでにビル前の広場は黒山の人だかり。
いつもは駐車場として使っているスペースに飲食店を出し、テーブルとイスを出し、即席青空食堂が出来上がっていた。
そして道路を封鎖して、和太鼓だのYOSAKOIソーランだの沖縄民謡だの、バリバリ日本的な出し物が演じられていた。
すごい… こ、ここは本当に外国?!


見たいと思っていたYOSAKOIが午後からだったので、まず館内に入ってみることにした。
このビルは日系人が運営していて、日本文化にまつわるいろんなサービスを普段から提供している。
図書館もあり、会員になれば貸し出しもしてもらえるみたい(まだ利用したことはないけれど)。
そして体育館や講堂などもあるから、週末になると文化団体が発表会に利用したりしているみたい。


まずは大講堂。いろんな演芸プログラムが用意されているみたい。
入ってみるといきなり「ヤ〜〜〜レン ソ〜ラン ソラン ソ〜ラン ソ〜ラン…」と、道産子の郷愁をそそるメロディーが。
白い和装のおばさまたちが、声高らかに民謡を歌っていた。上手だなぁ。ここは一体どこなんだ?
続く演目は、寸劇「ももたろう」。これはコイにもおなじみの昔話、ちょうどいいぞ。
日本語のアナウンスのあと、ちゃんとポル語でストーリーの概略が説明され、幕が開いた。
えーと、ずいぶん大人向けにアレンジした話だったけど、衣装や雰囲気は桃太郎の世界そのもの。
エンディングには、鬼から取り返した宝物を会場の皆さんにおすそわけ!という趣向で、お菓子やサッカーボールなどを客席に向かって投げていた。
残念ながらコイはゲットできなかったけどね、みんな大喜び。
ずいぶん太っ腹な桃太郎である。


大講堂となりのホールでは、いけばなの展示。ほほぅ、池坊から小原流、草月などなど、各種の流派がちゃんとあるのねブラジルにも。
使うお花がブラジルらしくて、なかなか斬新で素敵。南国の花を活用した生け花を身につけるというのも悪くないなぁ、なんて思っちゃった。
着物や大凧などもディスプレイされてて、ブラジル人たちが喜んで写真を撮っていた。


続いては体育館。
目に入ったのは日本のアニメ(?)のコーナー。DVDや小冊子などが並んでいる。
うーん、なんかこういう世界はよく知らないんだけど、秋葉原あたりに多そうな世界?!
ブラジルの若者にも人気らしく、結構人が集まっていた。

合気道の実践コーナーもあった。もちろんポル語で、合気道とは何ぞやを語り、いくつかの型を披露していた。
そして観客の腕をねじり(?)簡単なワザをかけていたようだった。


別の部屋では折り紙とソロバン、そして墨絵のワークショップが。
指導するのは日系人、そしてここもほとんどポル語で、非日系人を相手に手取り足取り教えている。
墨絵はなぜかお兄さんたちに大人気。さすが入れ墨で日本語をボディに書くのが流行っているだけある?
非常に楽しそうに筆をあやつっておりました。


そして物品販売コーナー。衣類やら海賊版DVD(ハルとナツのDVDが堂々と売られていた…もちろんパッケージはカラーコピーね)やら演歌のカセットテープやら…実に日本的な(だけどなんだか昭和のような)グッズが満載。
中で私が気に入ったのが、ちっちゃい折り紙で作ったピアス。よくぞこんなに小さく!と感動しちゃうくらい可愛い折り紙動物たち…


そして絵本のコーナーもあったのだ。なんと、日本語とポル語の絵本。同じタイトルの2カ国語版が存在するなんてビックリ!!
日本では見たことのない絵本だったけど、出版社は日本のものだった。へぇ、そんなの聞いたことなかったな、新世社なんて。
だけどこれがなかなか魅力的だったのよ。
日本の作家の作品をポル語訳したものと、中南米の作家の作品を日本語訳したものとあって、
それぞれいくつか買ってみました。私のポル語の勉強にもなるかと思って。
日本でも買えるのかな?と思ってアマゾンで見てみたら、あら、あるのねちゃんと。
買った絵本については別項目でご紹介しますー。


そろそろお腹がすいたね、ということで青空食堂へ。ヤキソバ、たこやき、沖縄ソバ、うどん、てんぷら、お弁当…いろいろあったよ。
うどんが人気だったので並んで食べてみたけど… ご、ごめんなさい、コメントは差し控えさせていただきます…あぁ正直な私(笑)
たこやきはおいしかったなぁ。日本で食べるのと変わらない味だった。ソースの味も、たっぷりのかつおぶしと青海苔も。


それにしてもずいぶんな人気だ。この飲食コーナーだけで一体どのくらいの人出があるだろう。
日系人の姿がやっぱり多いけど、そうではない人もかなりいる。そして日系人×非日系人という若者カップルも多い。
なんでその組み合わせが目に付くのかって?そりゃもう、ラブラブだからですよ…あぁ目のやり場に困ります。日系人とはいえ、やはりブラジル人なのです。


さていよいよ屋外広場でYOSAKOIソーランが始まった。
よさこいソーランといえば札幌の初夏の風物詩としてすっかり定着、雪祭りと並ぶ北海道の最大イベントになってるけど(もう10年目くらいだっけ?)、
東京じゃまだそんなにポピュラーじゃないよなぁ、というのが東京に住んでたときの印象だった。
けど、そんなよさこいがなんとサンパウロにも進出してるとは本当にオドロキだよ。話には聞いてたけど、実際にこの目で見るのは初めて…
今回は会場スペースが小さいこともあって、若干10名ほどによる踊りだったのだが、ジャズダンス系のアレンジ(動きは札幌のトップチームなどと比べると格段に落ちるけど)で
結構やるじゃない!という感じ。
このチーム、サンパウロ市内でチェーン展開している美容室SOHOの美容師さんたちによるチーム。
さすがおしゃれな髪型(というか奇抜?!)で、見た目にも華やか… ブラジルらしいよさこいチームだなぁ。
終演後に写真撮影をお願いしたら、ささっとこんなふうにまとまってくれるあたりもさすがブラジル人?素敵です。
踊ってた男の子の一人はインタビューで「髪を切るより、よさこい踊るほうが好きだ」と言ってました。
おそるべし、よさこいソーラン
7月にはよさこいソーラン大会もあるんだそう。もちろん見に行くわよっ!


すっかり気分は日本にトリップしちゃった一日でした。
こんなふうに、日本の伝統的なものが、ブラジル人たちに少しずつでも浸透しているのを見るのはやっぱり日本人としてはうれしいことだわ。


この日、というか土曜の夜から日曜にかけて、サンパウロ市内が「文化デー」だったみたいで、各所で文化イベントが行われていたそうです。
月曜になってそれを聞いたんだけどね。
こういうふうに、他の国…たとえばイタリア移民によるイタリア文化祭りとか…もあるのかなぁ。あればぜひ行ってみたいな。