うれしい贈り物


夕方、ボーっと過ごしていたら、ポルテイロ(門番)から内線電話が入った。
「○○号室がどうのこうの…」と言っている。
○○号室はうちの隣ですけど?うちは○○号室じゃありませんけど?と答えたんだけど
「どうのこうの…」の部分が理解できず、うーん今のは何のことだったんだろう?と
思いつつそのまま内線電話を切った。


ここに来て、いろんな人のポルトガル語を聞くけれど、実はこのポルテイロからの
内線電話が一番聞き取りにくいのだ。
まず、いつなんどき、どんな用件で内線がかかってくるか想像が付かない。
たとえば、誰かがうちを訪ねてきたとか、届け物が来たとか、それ以外の
住まいにまつわる連絡事項とか… いろんな用件でかかってくるわけだけど、
「今日は冷蔵庫が届くわ」などと事前にわかっている場合以外は、ほんとにつらい。
だってすごくぶっきらぼうに話すし、顔が見えない電話での外国語による
コミュニケーションくらい難しいものはないでしょう?
内線電話が鳴るたびに実は結構、恐怖なんですけど…。


と、話はそれましたが。
結局、このときの用件は、「隣の○○号室のひとがこれからお宅を訪問するから
よろしく」ということだったみたいで。
ほどなくして、ピンポーンと鳴り、玄関にお隣の女性がやってきたのでありました。
そういうことでしたか。これは想定外。


彼女は手にかわいいプレゼントの箱を持っていた。
お腹の子へのプレゼントだと言う。
えええー。先日、ほんの少しご挨拶に伺っただけなのに。チョコレート一箱持って。
なのになのに、満面の笑みで、プレゼントを差し出す彼女。
なんていい人なんだ…。
包みを開けてみると、とーっても可愛い、白いニットのカーディガン。
生まれたての赤ちゃんに似合いそうな、小さい小さいカーディガン。
こういうの欲しかったの!


生まれたら、これを着せて、お隣さんちに連れて行こう。
というより、我が家にお招きしよう。そして赤ちゃんを見てもらおう。
なんだかうれしいご近所づきあいに、思わず顔がゆるみっぱなしの夕方でした。