ブラジルで「オペラ座の怪人」


ついに!私の一番好きなミュージカル「オペラ座の怪人」をサンパウロで観劇しましたよ!
ここに来る前にサンパウロで上演中と知り、ここに来る前からずっと見たいと思っていた
オペラ座
日曜日のマチネ(と言っても午後4時から…)に、ダンナと二人で行ってまいりました。
チケットは事前にシアター隣のチケットセンターでダンナが購入してくれておいたのだ。
端っこだけど、前から13列目くらい。かなり前です。日本で言うところのA席かな、
約7500円。
日本なら間違いなく1万円を超えるだろう席。



会場の「テアトロ・アブリル」は、ブラジル最大手であろう出版社のAbril社が
運営するもの。
クリームイエローの外観が可愛くて、サイズ的にも大きすぎず、程よい劇場。
(って、ここがサンパウロで初めて来るシアターだけどね。東京の帝国劇場のサイズに
慣れていた私には、このくらいがいいなぁと。)
劇場に来る人たちは、やっぱり裕福な人が多いのでしょう。おしゃれしたマダムの姿が
結構多い。
でもジーパン姿のカジュアルな若者もいるし(でもやっぱりこぎれいでオシャレな
ジーンズね)、意外と小学生くらいの子連れも多かった。
こんな小さい子がおとなしくできるの?というような幼児も…。
ブラジルのお子さんは概してしつけがしっかりとされているのでしょうか。
(最近の我が息子の行動…ギャアギャアとうるさくて仕方ない…を見ていると、
ほんと頭が痛くてね)


さて舞台はほぼ定刻にスタート。もう何度も何度も見て、すべてのストーリーと歌が頭に
叩き込まれているくらい大好きな作品だから、すべてポルトガル語だけど全然違和感ナシ。むしろ、あぁポルトガル語ではこういうのかー、
なんて楽しめたりして。(いえ実はそこまでポル語わかってませんが。。。)
キャストは皆、歌のレベルが高くて、聴き応えバツグン! 演技ももちろん!
怪人、クリスティーヌ、ラウル、マダムジリーにメグジリー… それぞれのイメージって
やっぱりどこの国で演じても共通しているのね。
ブラジルのクリスティーヌは、やっぱり映画のクリスティーヌの可愛さには叶わないけど(というか、誰がやっても映画の彼女を超える可愛さは難しいでしょうな)、
雰囲気、表情、とても素晴らしく演じてくれました。


英語とポルトガル語、さすがヨーロッパ系言語どうしだけあって、歌詞をポルトガル語
してもあまり違和感が感じられないところがすごい。
「ザ ファントム オブ ジ オペラー」が、
「オ ファンタスマ ダ オペラー」になるだけだもん。よく似ているよね。
これが日本語になると…絶対無理。ここだけは英語で歌わなければどうしようもない
ものね。


あえて言えば、オーケストラの音の厚みがちょっと足りないかなぁ、
(ちゃんと生オケだけどね)
テーマ曲の、ジャーン ジャジャジャジャ ジャーン の迫力がちょっと足りない…
たぶん音量の問題?アレンジの問題? いやそもそもどのくらいの迫力が適当なのか
わからないけど、もっと派手でもいいのに、と思ってしまった私。
だけどシャンデリアが落ちるシーンの高さとスピード感はなかなかのものだったし、
火の粉が飛ぶシーンも迫力満点だったし。総合的に、とても完成されて、
レベルの高い舞台だったと思います。


ロンドン、札幌、NY、東京、それに映画で見て、今回が6回目のオペラ座の怪人
劇団四季ももちろんいいけれど、やっぱりこの作品は、欧米人が演じてこそ
雰囲気出るなぁ…と
当たり前のことを実感した舞台でした。
(逆に、ミス・サイゴンなんかは、日本人が演じるほうがハマると思うけどね!)


まだしばらくロングランで上演されるみたいだから、もう一度くらい観たいけれど、
もうすぐ出産だからきっと無理だなぁ。


ところで余談ですが、ここでも妊婦への待遇は素晴らしかった。
幕間にトイレに行こうとしたとき、ものすごい長蛇の列だったんだけど、最後尾に並ぶ私を
係の女性がすぐに見つけて、手を引いてどんどんゴボウ抜き。すぐに一番前に連れて行き、
個室へと誘導してくれたのでした。
一応、「大丈夫です!」と並ぶ意志を伝えたんだけどね。
そして誘導された私に笑顔で譲ってくれる最前列の女性。優しいねぇ。
女同士であっても、こんなに妊婦に優しくしてくれるなんて。なんて素敵なんだブラジル!
申し訳ない気分でいっぱいになるけれど、やっぱり助かるから、ありがたい。