日本移民の歴史を知る講演会へ


NHKの「ハルとナツ」、早くもここブラジル(というか、
NHKワールドプレミアムという海外向け衛星放送)では再放送されているのだ。
毎週金曜日、5週に渡って。
前回見逃した1〜3回目を見ることが出来て、農業移民で入られた方々の想像を絶する
ご苦労を知ることが出来た…。本当に凄まじいことだね。
今回はダンナも一緒に見ている。いまブラジルに暮らす私たち日本人にとって、
このドラマを見ることはとても大切なことだと思う。いろんな意味で。


さて、これまたタイムリーなことに、今日は日系移民についての講演会があった。
もちろん日本人講師による、日本語での講演!
約2時間で、ブラジルに最初に移民が来てから〜日本人がやって来た経緯、その過程
〜現在の日系人の状況…と、およそ100年に渡る歴史をコンパクトにまとめて
お話くださった。
ハルとナツで知った日本移民の概要が、より厚みを持って自分の中に入ってきた感じが
して、とても貴重なひとときでした。


最初の頃は、ブラジルに同化しようとせず、ポルトガル語も覚えず、
日本人だけで組織だって行動する…という日本人は、ブラジル側から
煙たがられる存在だったようで。
それはそれで大変なことだったと思う。
でも、その組織づくりや、一致団結して困難に立ち向かう姿勢が功を奏して、その後
農業の発展において大きくブラジル社会に貢献したこと。
戦後は子どもの教育に力を入れる日系人が増え、その結果、高学歴を得て医者や弁護士など
社会的に地位の高い職業に着く2世、3世が増えたこと。
従って日系人が次第に尊敬される存在になったこと。
…これらは、また違った視点から見ると、そうだとも言えないのかもしれないけれど、
今日のお話を伺ったなかでは、なるほどなるほど…と納得の歴史なのでありました。


時代を経て、日系人同士の結婚も次第に減り、3世・4世となる今となっては
混血率が60%ほどまでも進んでいるということ。
すっかりブラジル人化し、日本語を話せない日系人もかなり多いという。
それが時代の流れというものだし、自然なことなのだと思うけれど、
日本人の持つ良いところ…真面目さ、一致団結の精神など…は失って欲しくない、と
講師の方はおっしゃっていた。


そのことは、日本の中においても、同じことが言えるよなぁ、と思った。
世代が進むにつれ、確実に、「古きよき日本の精神」というものは失われて来ている…
よね?
ともあれ、いろいろと考えさせられることが多かった。
そして、もっと多くのことを知りたいと思った。