花とイチゴのお祭り


ブラジルには実にたくさんのフルーツがある。スーパーに行けば、おなじみのスイカにメロン、りんごにオレンジ… それに南国風の見たことのない果物もいっぱい。
見ているだけで楽しい!
果物の話題はまたいつか書くとして、今日はイチゴのお話。
私がいまのところブラジルで食べたフルーツの中で一番のお気に入りは、イチゴ!
日本のスーパーで売られているのと違って、こっちのは、もっと昔風な、
と言うか、北海道の実家の畑でとれるような野性的な味がするのです…。
まさに子どもの頃によく食べていたイチゴの味! ひとくち食べてすぐにわかったよ、これこれ、この味!ってね。
スーパーのイチゴに慣れた口には、たぶん甘みが足りなくてイマイチだなぁと感じるかも知れない。でも私にとってはこの味なんですよ。


ということで、すっかりブラジルイチゴのファンになってしまった私。
お友だちからもらった「サンパウロの週末ガイドブック」をパラパラめくっていると、
ちょうどいまの時期、近郊の町でイチゴ祭りが開かれているという情報が!
夫が電話で確認すると、9月のほぼ毎週末、開催されているとのこと。
では早速行ってみよう!ということで、日曜日のお昼めがけて出発〜〜〜


車で1時間くらいの場所にある「Atibaia」(アチバイア)という街の公園が会場。
着いてみてびっくり、もんのすごい車と観光バスの数である…。
いったい皆さんどこから繰り出してきたのですか?というくらいものすごい人出。
しかも入場料がかかるのね。券を買うための列に並ぶのね。
東京のナントカ見本市並みの賑わいだ。
ところが子連れの妊婦家族ということで、スタッフが列の先頭に案内してくれて、ほとんど待たずに入場できちゃった。こういうところはホント、徹底してるねブラジルは。


会場の中に入ってまたびっくり、とにかく人・人・人!
ランチを取るためにまた行列。ひぃぃ。すごいや。
とりあえず私たちはメインパビリオンらしきところに入ってみた。するといきなりバリバリの日本語の花看板がお出迎え。



「ようこそ夢の国へ」と書かれているよ。その脇には、顔を出して写真を撮る、着物スタイルの人型が…。現地の方々が喜んで顔を出して撮影しているよ〜。
パビリオンの中はいろんな花の展示があったんだけど、どうやら今年のテーマは「浦島太郎」らしい。竜宮城の模型とか、浦島太郎とお姫様をかたどった花人形とかが飾られている。なんとも不思議な世界…。
そして、「花とイチゴ祭り」らしく、イチゴで作られた人魚なども…。結構、圧巻!



屋外ステージでは、和太鼓や盆踊りも行われていた。福島県人会主催による日本食の出店やら餅つき実演もあった。
この街は人口10万人くらいの、それなりに大きな街のようだけれど、かなり日系人の方々も多いんですって。なるほど納得。
ブラジルと日本、まさに地球の裏側だけれども、まるで兄弟国みたいだなぁと思わせられる光景でした。


そして肝心のイチゴ。どうせならイチゴ狩りみたいに自分で摘み取れるスタイルだといいのにー、と思ったけれどそうではなく(まぁこれだけのお客さんが入ってイチゴ狩り状態にしたら、即日で畑が空になるだろうね)、即売コーナーで買うのでありました。
4パック入りの一箱が約300円。安い!!!
皆さんもれなく手にはイチゴの箱です…。
私も3パックくらい買いそうな勢いでしたが、2パックでやめておきました。
なんせ持ち歩くのが大変なので。


イチゴ同様、花の展示即売もあって、これまた安い。ミニバラの小さい鉢がひとつ150円とか。胡蝶蘭や大き目の観葉植物もあったりして、植物好きにはたまらないね〜。
しかしこれまた持ち歩くのが大変なので、息子が選んだミニヒマワリひとつと、ピンクのミニバラひとつで我慢しておきました。


公園内には小さい遊園地もあって、子どもが喜ぶ乗り物がいっぱい!
池でボートもできるんです。ここもものすごい行列だったのであきらめたけれど。
遊園地の遊具は古くて小さくて、日本のひと昔前の田舎の遊園地といった感じだけれど、
こぢんまりとしていて楽しかった。息子も楽しそうに乗っていました。こういうの久し振りだものね。


後日、ブラジル在住歴の長い方に聞いたところによると、ブラジルにはあまり楽しみがないために、こういうお祭りはいつも大賑わいになるのだそう。早春の一大イベント、ということだったのですね。確かに、バスで3時間ちょっとかけて南の街からやってきたよ、というおじさんもいましたからねぇ。


ところでポルトガル語でイチゴは「モランゴ」と言うのです。
ストロベリーともイチゴとも全然違うから、もう見当もつかない言葉だったけれど、
このお祭りで何度も目にしたおかげで、親子ともどもすっかり覚えたよ。
ちなみに鶏肉のことは「フランゴ」… 
なぜにイチゴと鶏肉が似ているのだ???