常夏の国でも秋冬物


今日も気温は30度を超えているサルバドールである。
引っ越してきて以来、私はジーンズを一度もはいていない。Tシャツを着た回数も数えるほどだ。
では何を着ているかと言うと…ノースリーブにショートパンツ、である。袖なし、短パン、である。
だって本当に暑いんだもの。Tシャツの袖すらうっとうしい。ジーンズなんてはいたら、汗で生地が肌にピットリ吸いつくよ。


そして街を歩く女の人たちはみな、おおむね、そのようにきわめて布地面積の少ない装いである。
Tシャツ着てる女の人なんて、ほんとに見かけないのよ。みんなキャミソールとかチューブトップ(肩なし)とか、そういうの。
ジーンズやジャケットの人もたまぁーーーにいるけど、そういう人は、クーラーの効いたオフィスで働く人たち。


私は、暑いからというのもあるけど、なるべく街で目立たないように、なるべく周りのブラジレイラと同化するように、そういう格好をしている。
でも、サンパウロではあまりしない格好なので(なんせサンパウロは朝晩冷えるので、寒くて無理)、実はノースリーブ系もショートパンツもあまり持ってないんだよね。
4枚ほどはあるけど、なんせ一日に2回くらいは汗で着替える状態なので、洗い替えが足りないよ。
ということで、服を買いにショッピングモールへ。


すると、あれぇ? みんなが街で着ているような涼しげなノースリーブワンピースとか、キャミソール系の服って、置いてないわけ?
かなり探さないと見つからないのよ。
あるのは、長そでだったりセーターだったり、ジャケットだったり。挙句の果てにはコートやフリースまで並んでる。
そうだった。今は季節は「秋」なのであった。ディスプレイされている服はすべて秋冬ものなのだ。


しかし。
あのー。
連日気温30度の町で、誰がどこでそういうもんを着るんですか?
かなり疑問なんですけど。


と思ってたら、クーラーの利いたショッピングセンター内や、高級レストランで長袖を着ている人を見た。うん、なるほど、冷防対策には必要ね。
コイの学校で、朝、長そでパーカを羽織って登校している子がちらほらいた。
…どう考えても、長袖のいらない気温だと思うんですけど。


あとは、寒い国に旅行する、お金持ちの方々向けに販売しているとしか思えない…。
うぅ、かなり無駄な、無理のあるディスプレイ…。


そんなわけで、イメージするような服を買うことは出来ず。とりあえず手持ちの服をせっせと洗濯して着まわすことにするわ。