Manhattan Transferのライブへ

土曜の夜、ダンナが見つけてきたライブ「マンハッタン・トランスファー」に行ってきた。
Manhattan Transfarとは、日本でも知られているアメリカのベテランコーラスグループで、男性2人、女性2人の4人組である。
今回のライブに向けてこちらで購入した一枚のCD、なんと東京オーチャードホールでのライブ盤であったよ…


私は詳しく知らなかったんだけど、ダンナは東京時代にもCDを購入し、愛聴していたらしい。なので、今回、ここサンパウロで彼らの生歌を聞けるということは、ダンナにとって最高にうれしいことらしい。
そんなダンナのお付き合い…という立場で(なんと消極的な…ファンの皆様ごめんなさい)、私も同行させてもらった。


会場はシコ・ブアルキのコンサートがあったTom Brasil。あの日は確か、入場口が行列になっていて、ずいぶん席に着くまで待たされた気がしたけど、今日はなんとまぁ、すいてることこの上なし。
そして中に入ると、ものすごく余裕を持った配置でテーブルとイスが並んでいる。そして人もまばら。
おいおい。世界のコーラスグループですよ? こんな客の入りでどうするんです? 失礼じゃないのかっ?!
と、一観客の分際ではありますが、やや心配になるような状況でありました。


しかし相席のおじさま・おばさま達となごやかに雑談し、気持ちよくサケピリーニャを傾けながら開場を待ちましたよ。
観客数がどうあれ、私たちが楽しめればそれでいいじゃない!ねぇ!


そして開始時刻15分後、英語のアナウンスが入り、4人組の登場。
素晴らしい。さすが非ブラジル人(笑)、たったの15分遅れでスタートですよ。素晴らしい。
キーボード、ドラム、ギター、そして渋い魅力をビシバシかもし出すコントラバスの音楽に乗って、4人の美声がブラジルに響き渡ります…
いやぁ〜、コーラスグループってホント大好き。人間の声にまさる楽器はないよねぇ、って実感させられるよ。
何よりもわかりやすい音源だし、感情やトーンがダイレクトに伝わる。素敵すぎます。


ハモリの絶妙さもさることながら、一人ひとりのソロがまた心地よい。
コントラバスとのかけあいの人、ギターの隣で軽く歌い上げる人、アカペラに近いシンプルなピアノ伴奏でしっとりの人…
それぞれ個性があり、とにかく、全体的に飽きさせない構成なのよねぇ。
エンターテイメント性の高いステージにすっかり魅了されましたよ。


4人で歌うときは、時にミュージカルをほうふつとさせる歌い方になったり、
いわゆる「シュビドゥバ・ドゥビドゥバ」系の、コーラスの王道って感じでムード満点になったり。
それぞれの表情がとても良かったなぁ。結成からもう何年なんだろう?リーダーの男性はほとんどおじいさんと呼ぶにふさわしい熟年であり、女性のほうももうすぐおばあさん?といえる年齢なのに、声の色艶は素晴らしく良くて。
歌を生業とする人は、年をとっても、声の衰えというのはないのでしょうか…
人間の声ってすごい、と改めて実感する一夜でございました。


ブラジル公演ということで、しっかりブラジル音楽も取り入れておりました。
トム・ジョビンの曲、DJAVANの曲、そして名前はわからないけどサンバテイストの入った曲もあったなぁ。
すべて英語だったのがまたすごいと思ったけど。


そういえばブラジルでいろんなコンサートに行ったけど、ブラジル人以外のステージは初めてだわ。
そういえば全部英語だわ、今日は。
久々に耳にするホンモノのアメリカ人の英語は、う〜ん、心地いいねぇ。
最近、英語がほんっとに自信なくなっちゃったけど、ヒアリングだけはかろうじてまだ少しはいけるかも?と思った。
何て言ってるか、だいたいわかったもん。
たぶん彼らも、ブラジル人にわかりやすいように、平易な英語で語っていたんだろうね。だから私にもわかったのね。
そしてちゃんとブラジル人も英語がわかっているようで、笑うところではしっかり笑っておりました。


お客の入りは、ショーが始まった頃には満席に近くなっていて、全体に少ないとは言え十分に盛り上がるステージでした。
良かった良かった。
でも私が一番手拍子打ってたかも(笑)だって思わずノリノリになるような楽しいショーだったんだもの。
ちなみに客層は、お金持ちのインテリ層・年齢層は高め…という感じでありました。英語が理解できる方々だもの、それ相応の方々なんでしょう。


なお、ダンナは私以上に大感激だったようで。
今までブラジルで見たショーの中でナンバー2だ! だそうです…
ナンバー1はやはり不動のイヴァン・リンスなんだって。