ブラジルの風邪は強烈?!

気付いたら前回の更新から早4日も経過してたんだ…。
いやはや。健康だけがとりえの私が、ブラジルの強烈な風邪に負けてしまいました。
アレックスの熱も落ち着いたなぁやれやれ、と思っていた2日(金曜日)の未明ごろから、なんだか耳にいや〜な痛みが走り…
もちろん鼻水はとめどなく流れ、頭もじんじんと痛い。
鼻水と頭痛くらいなら我慢できるけど、耳の痛みってね、経験した方はおわかりだと思うけどかーなーり辛いんですわ。
日本の風邪薬も持参しては来ているけれど、耳に効く薬なんてないよ。
悪化しないうちに早く病院に行こう、ということで朝になるのを待って日本語が通じる(はずの)総合病院へダンナに車で連れて行ってもらう。


時節柄、風邪ひきさんがものすごく多いようで、待合室はものすごい人・人・人。
こんなとこにいるだけで悪化しちゃうよ、って感じ。だけどしょうがないね。
で、日本語が通じるっていうのは単なる表向きの話ですかここは?受付から内科の先生に至るまで、ポルトガル語オンリーなんですけどー。
ま、そんなにややこしい症状ではない(耳が痛い、頭も痛い、鼻水が出ていて色は透明)ので、カンタンポルトガル語で乗り切れたけど、おーい、日本語しゃべれる先生はどこにいるんですかー???


で、混雑振りとは裏腹に、結構早く順番が回ってきて、晴れて診察室へ。
男の先生(生粋のブラジル人)に見てもらった。症状を伝え、熱と血圧を測り、耳の中を見てもらった。
あと前と後ろを聴診器で調べてもらった。おもしろいことに、服の上から聴診器当てるのね?最近は日本でもそうなの?


そのときは熱は37度未満だったし、先生の所見によるとただの風邪ってことだったので(ほんとか?中耳炎とかじゃないの?)、それなりの薬を処方してもらい、ものの15分ほどで診察室を出た。


問題はその後―――。


風邪の治りかけのアレックス、せっかく連れて来てる事だし、まだ少しせきと鼻水も出るから、一応小児科で見てもらおうかということに。
で、小児科に立ち寄ったんだけど、こーれーがもう、ものすごい病児の数!!!
大人の一般診療の比じゃありませんね。2月の東京の人気小児科って感じ。
受付ナンバーの紙を取って(銀行で取るやつみたいなの)、15人ほど順番待ち。
やっと受付にたどり着いたら、そこから診察室までまたしばらく待ち。
やっと診察室に入ったら、やっぱり先生、日本語できませんね?顔は日本人ですけどね?(それじゃ意味ないんですけどー)
彼の方が私より説明がやや難しい。私もくらくらする頭でなんとか伝える。
ひととおり耳やらのどやら聴診器やらをした後、特に問題はないので、レントゲンを撮るよう言われる。
えー、レントゲンっ?!
なんかそれってちょっと大げさじゃないの?


…と思いつつもせっかくだから、指示に従うことにする。
長い廊下を歩いて今度はレントゲンエリアへ。そこでまた番号札を取って待つ・待つ・待つ。
私の症状も悪化が進み、たまりかねてこの間、処方箋を持って薬局に薬を買いに行き服用する。


やっとレントゲンが終わり、また診察室に戻る。先生は仕上がったレントゲン写真を見て、たんがずいぶんたまっているけど、特に肺に異常はないと。
だから次は血液と尿の検査をしたいと。
はー?
それって精密検査状態?
また長時間待たされるの?
…しかしもしおかしな病気だったりしたら困るし、検査は受けて損するものでもないので、頑張って受けることにする。


赤ん坊の細い腕から細い血管を探し、血液を抜き取ることは至難の業だろうに、看護婦さんは慣れた手つきで見事、いい仕事をしてくれた。
アレックスは一瞬泣いたけど、抜き終わったらケロリとしてた。
さてこの血液検査の結果が出るのが2時間後だと言う。時すでに正午。
2時までここで待つんですか。家は遠い。仕方ないから待つしかない。


問題は尿検査。オムツの赤ん坊の尿をどうやって取るのよ?と思ったら、専用のビニール袋があるのね、局部付近に貼り付けるタイプの。
しかしこれがいつ出るかはアレックスのみぞ知る…。何度もチェックするも出ない出ない。
結局出たのは午後2時ちょっと前。
なんとこの結果も2時間後だという。じょ、じょうだんじゃありません!!
申し訳ないけど、私の体ももう限界です。血液検査も問題なかったし、アレックス結構元気だし、尿検査の結果はあとで電話で教えてもらうわけに行きませんか…。


この申し出に、最初はいい顔をしなかった日系人サユリ医師だけど、私があまりに青ざめていたので?なんとか帰宅の許可をもらった。
もし異常が出れば、親だけでも病院にまた来るように、という条件で。


結局4時に電話で確認したら、尿も異常なし。ただの風邪ということらしい。
ホッと一安心。
なんだけど。
本当は私の方がつらい症状だったんだよー。アレックスはもう治りかけだったんだよー。


その後丸3日ほど38度〜39度台の熱に悩まされ、起き上がることが出来ず、家事は一切出来ず、全く使い物にならなかった私。
私の方が精密検査受けたかったよ。こんなに熱が下がらないことなんて、今まで経験なかったからね。このまま別の病気に発展するんじゃないかと本気で思ったよ。
処方された薬が合わなかったのかなぁ。
耳の痛みは、痛み止めで抑えられたけど、あの熱はなんだったんだ?
金・土・日とほとんど寝たきり、日曜の夜から37度まで落ち着いて、月曜の今も37度をキープ。頭痛はほとんどおさまって、こうしてPCに向かう気力も出てきている。


きつかったなぁ。
まだ熱と耳と鼻と頭痛だけだからマシだけど、これに嘔吐・下痢が伴ったりしたらどうしていただろう。
ブラジルの風邪は完治まで平気で1ヶ月くらいかかるとみんな言うけれど、それはあながち嘘ではないと思った。
だってまだ平熱じゃないんだもん。アレックスを抱くとふらつくし、横になっているほうが楽。


ちょうど週末だったこともあって、この間、ダンナには本当にお世話になった。子ども達二人のお世話、買い物、洗濯…。料理だけは出来ない彼だから、食事は出前で乗り切った。(もっとも私は食欲があまりなかったんだけど)
家を守るべき主婦が使い物にならないってことは、本当に屈辱的だし、悲しいことだった。
アレックスも満足に抱けないなんて。情けない。


とにもかくにも、健康あってこその生活。
どんなに外が晴れてても、どんなに楽しい出来事があっても、健康じゃないとそれを満足に楽しめない。
そんな当たり前のことを強く強く実感させられた、この病の週末―――。


どうかどうか、皆さんも健康第一を忘れずに、日々暮らしていきましょう。