一日じゃ足りないよ…けんぶち絵本の里


剣淵町は、私の住む名寄のとなりのとなりの町。小さい町だけれど、「絵本の里」としてその知名度を高めている。
何がきっかけで絵本で町おこしをしようとしたのかは調べてないのでわからないけれど、とにかく、もう20年近く前から絵本専門の図書館を開いてアピールしてきた。


そのことは知っていたし、数年前にも一度、絵本図書館に行ったことはあったので、今回二人の子を連れて再訪しようと思ったときも正直、それほど期待はしていなかったのよ。
それがもう!
なんとも素晴らしい施設じゃないですか!!!



まず、施設自体が建てられてまだ年数が浅いため、とにかくきれいで清潔で居心地満点。
入口にある施設案内図は、木の積木で作られているみたいにころんとしてて可愛い!


そして館内には、純粋に絵本だけを集めた常設図書館スペース。貸し出しもOKで、なんと一人15冊まで、しかも町外在住でもOK〜。
作者別、テーマ別などに並んでいて、もうどこから攻めようか迷ってしまう〜〜〜。


おりしも、年に一度の「けんぶち絵本の里大賞」投票が行われていて、来館者はだれでも投票権を得られるのだった。受付で3人分の投票用紙をもらい、いざ、候補作品が並ぶホールへ…
っと、入ってビックリ。こ、こんなに候補作品があるのか…。
ひろーーい部屋の壁一面に絵本、絵本、絵本…。ざっと300冊くらいはありそうだ。
この1年以内に出版された新しい作品であることが条件のようだ。
さすがに全部に目を通せるような状態ではないので、もう、絵の雰囲気と直感でいくつか開いて読みまくるのみ!



アレックスやコイにも好きな本を5冊選ばせた。やっぱりそう来るよねー、と思わずニンマリするような、わかりやすい幼児向けの本を持ってくるアレックス。
恐竜系や自然科学系が意外にお好き?というラインナップのコイ。
それぞれの傾向がわかって楽しい。子供たちも、あんなにたくさんの中から選び放題!という状況がとても楽しかったみたいで、持って来ては読んでくれとせがむ…
私も、初めて出会う絵本に、一冊一冊、楽しく向き合える。なんて素敵な時間…


結果がどうなるのか、とても楽しみになるね。自分たちも一票を投じたと思うと。
それにしても300冊の中から選ばれる1冊って、どういうのだろう…。
町のお年寄りたちもやって来て、絵本を選んでいた。町民あげての企画、という感じで、そのネタが絵本であるというのはなかなかいいよねぇ!


ちなみに、去年の大賞はこちら。
おへそのあな



さて、投票を終えたら、続いて隣の特別展示へ。絵本の原画展であった。
すでに絶版になっている「こうしがうまれたよ」という作品の原画の展示。ここまでは無料だったけど、この特別展示だけは200円。

絵本の原画というものを見るのは初めてだったけど、なんというか、原画の持つパワーっていうの?ひと筆ひと筆の命が伝わってくるんだなぁ。
絵本にしては地味な感じの、実写タッチの絵なんだけど、わらの一本一本、柔らかい子牛の毛の一本一本が実に繊細で美しくて…。
ぜひこの絵本を買いたいと思って、即売コーナーに行ってみたけれど、残念ながらすでに絶版で。


この施設のすごいところは、ただの図書館ではないところ。特別展などの企画も素晴らしいけれど、小さな喫茶コーナーがあってそこで軽食や飲み物がとれたり。
私が大好きな興部の木の遊び場「木夢」の、中でも大好きな遊び場「木砂」のコーナーがここにも存在していたのだ!!!



規模は小さいけど、コロコロの木砂は同じ!
子どもはもちろんのこと、大人もこんなふうに、指圧効果を満喫するために寝転がってまーす。


と、こんなふうに、当初の予想に反して、親も子も相当楽しめる施設になっちゃってましたよ、絵本の館。素晴らしいよ剣淵!!!


この施設の隣に、屯田兵屋が展示されていました。
屯田兵とは、北海道の開拓と北方警備のために配された特別な兵隊のこと。札幌の琴似に始まり、最後は剣淵・士別でその制度の幕を閉じたんだそう。
ということは、ここは最後の屯田兵入植地なのですねぇ。知りませんでした。
北海道の歴史も、知れば知るほど奥が深いよ…。


簡素な家で、室内にはかまどや農機具が当時のままに残されていました。サンパウロの移民史料館に再現されていた移民当時の家と近いものがありますね。
時代的に、屯田兵廃止のほうが少し古いですが。



身近なところに、いろいろと興味深いものがあるものです。たまに訪れるからこそ、新鮮な目で見られるというのもあるかも知れないけれど。
いつでも行けると思うと、なかなか行けないものよね。