サンパウロの暴動〜ニッケイ新聞より

暴動が起こってからもうすぐ丸4日経とうとしている。確か、金曜の夜に最初の襲撃があったんだった。
今日のサンパウロは、バスも朝から走っているし、お店なども普通に開いている…らしい。
でも、日本人学校や、日本人が多く通う幼稚園などでは臨時休校にしたとのこと。
そしてうちも、大事をとって、コイは幼稚園を休ませることにした。
(久々にパワー炸裂4歳児と一日を共にすると…結構時間を持て余しちゃうよ。そしてコイはお楽しみテレビタイム、私はネットタイムと相成るのであった)


今日は午前中くらいしかニュースをつけてなかったけど、現状報告というより、これまでの事件の振り返り映像をまとめたものが多かった。
だいぶ、事態は収束に向かっているのかな。そうあって欲しい。


ところで、昨日は月曜なので休刊日だった日本語新聞「ニッケイ新聞」も、今回の暴動のことをもちろん報じている。
でも、日本の新聞のようにその関連情報で何ページも割いているわけではなく、いつもどおり、ブラジル国内ニュースのトップ記事として淡々と掲載されている程度であったよ。


その記事によると、
そもそもの発端は、麻薬密売組織の幹部を含む受刑者765人が、遠くの、より厳しい刑務所に移送されたここに対し、組織が報復目的で警察署など一連の治安施設を襲撃したことである。


驚いたのが、襲撃の目的として次の2点が挙げられていたこと。
①母の日に受刑者の母親の訪問を許可すること
②テレビ60台を刑務所内に設置し、サッカーW杯を観戦させること
…なんだそうです。
裏の理由はもちろんもっともっと複雑で根深いものがあるんだろうけど、なんとまぁ、表向きはこんな理由だとは。
この要求に対し、サンパウロ州政府は拒絶、話し合いにも応じないと答えたんだって。
サッカー観戦くらい認めてあげてもいいんじゃないの…?
お母さんに会わせてあげるくらいいいんじゃないの…?
単純にそう思ってしまう私は、まだまだ甘いのでしょうか。
だけど、このような理由を拒絶したために大暴動が起こって、多くの尊い命が失われたんだとしたら…あまりにひどすぎないか?


と、まぁ、そんな理由は表向きなものに過ぎないにしても、
警察をモロに狙うという発想も、なんて直接的なんだろう。すごいよなぁ。
日本じゃほとんど考えられない行動だよね。よりによって警察を狙うなんて。
しかし、それだけ驚異的な威力を持つ組織なんだろう。警察より強いという自信があるからこそ、実行したんだろう。
なんて恐ろしいこと…。


ところで、普通日本では刑務所に入ってる人が自由に携帯で外部の人間とコンタクトを取るなんて、これまたありえないよね?
ブラジルではそれが可能なんだから驚く…。っていうか、呆れる…。
そして今回も、犯人の指導者は、刑務所内から携帯でアレコレと指示を出しているんだと。
その犯罪組織、なんと独自の携帯ネットワーク(新聞ではベース・センターという表現だった)を5ヶ所も持っていて、それを活用して刑務所内と連絡を取り合ってるんだって。
だから、そのネットワークを探り出して遮断しないと、犠牲者が今後も続出可能性がある…と報じている。


っていうか、そもそも、必要のない道具(携帯とか)は、刑務所内持込禁止にするのが普通の考えじゃないの?
もちろん、組織の怪しげな機器なんて断固、取り上げてから服役させるべきでしょ!!


日本人の感覚ではなかなか理解できないことが多いよ、やっぱりここはブラジル…。